就職活動は一人でやらないほうがいいですよ【HR/vol.17】

8月に入り本業が忙しくなってきました。
なかなか書くことを思いつかないくらいの状況なので本業のお話を少し。

キャリアカウンセラーの師匠に手伝ってもらって大学生と毎日お会いしています。3年生と4年生。
やっぱり就職活動を約1年やってきてる4年生は「しっかりしているなぁ」という印象。
3年生はなんだか「就活」自体が正体不明の怪物みたいに身構えてる感じ。

師匠と面談が終わるたびに話すのです が、学年に関わらず「みんな優秀」といった感想を私は持っています。
今月頭には自分の会社のインターン学生さん向けに業界の勉強会をさせていただいたのですが、そこでもやっぱり優秀だなぁと感じました。
何が優秀かっていうと、「学ぶ姿勢」「聞く姿勢」そして「人の(大人の)社会を知りたいんだ」という姿勢的なものなのかなぁと思います。

師匠いわく「就職活動を一人でやる人は絶対に苦労する(失敗するという言葉を師匠は使いません)」。

確かに社会人になると、毎日「問い」が生まれ、それを解く「方法」を考え、「実践」し、もっと良い方法を「検証」する。社会人の生活はいわゆるPDCAサイクルの連続です。

じゃぁ社会人の自分で当てはめると、「問い」が生まれれば「方法」はみんなの助言を聞いて作り出します。
※私はずるい人間なので、上司や先輩方の誰に聞けば一番早いスピードで物事が解決するか?ということばかり考えています。

就職活動もそうです。
皆さんの周りに社会人はいるはずです。親子同士だとついつい聞きづらかったり、普段からガミガミ言われてどうしようもない時もあります。
では、アルバイト先の社員さんや大学の教授や既に社会人として活躍しているサークルの先輩達はどうでしょうか?

就活マニュアル本を読むのもいいですし、SPIなどの対策をするのもいいと思います。
でも、もっと良いのは社会人に聞くことです。就活の仕方でなく、仕事をどのようにして何を感じどうしていきたいのかを聞けばいいんです。
3年生は特に。時間はまだまだ沢山あります。インターンに出れるなら出るべきです。生の社会人の声が聞けるのですから。
自分で社会人に体当たりで接し、身についた礼節や度胸や職業観、小さな経験はエントリーシートに書く内容や面接などで語る材料として何よりも強いと思います。
インターン=内定の確率が高くなるという変な伝わり方がありますが個人的には違うと思います。あくまで社会人や仕事を知るための機会だと思います。

それから、大学の「就職課=キャリアセンター」には行きましょう。
いくのがダサいとか思っている学生もいると聞きますが、始めての社会への扉を開くのにダサいも糞もないと思います。
キャリアセンターにも助けてくれる社会人や新卒を採用してくれる企業の求人票、OBやOBのリストなどなど沢山あります。

就活サイトもいいけど、こういうのもね。

Linkedinは黒船なのか?【HR/vol.16】

昨晩はいつもソーシャルで交流させていただいている@taniyangさんが主催する人材業界向けLinkedin座談会に行ってきました。普段お会いできないような同業の皆様と席を並べることができて非常に有意義な時間を過ごすことができました。

私も当初タイトルにある「黒船」感覚を持っていたのですが、様々な意見を伺って少し捉え方が変わりました。

■出ていた意見
・人材紹介業者にとっては有効な人材へのコンタクトツールである。LinkedinのようなメディアとCA(キャリアアドバイザー)が融合していく。
・欲しい層によって採用手段がセグメントされていく。日本ではベンチャー→大手の順番で浸透するのでは?
・人事のためのツール。事実欧米企業の人事部にはLinkedin専任のサーチャーやリクルーターがいる。
・今まで日系企業の中で抑圧されてきた個人が外に飛び出すツール。仕事自体を生み出すツール=創職を加速させるメディア。
・専門性のある業種での有効な採用ツール。
などなど

■特に共感・興味を持った意見
・従来の人材紹介のDBはアクティブユーザーにしか意味が無い。Linkedinは常に能動的に個人がその履歴を更新できる。生きた、血の通った人材DBができそう。
・大学のキャリアセンターの活用
・学生のセルフブランディングと社会人の応援リコメンデーションで就活が変わる。

まだまだ書ききれませんが、主催の@taniyangさんがまとめてくれてるのでこちらも↓
http://blogs.itmedia.co.jp/businesssns/2011/07/post-101a.html

参加されていた外資系企業の人事の方(Linkedinを採用ツールとして使用している)いわく、日本だとまだまだ、砂漠の中の一粒くらいの精度でしか人材を探せないとの事でした。しかも、その砂漠が小さいとも。うまい事言うなぁと感心ばかりしてましたが、事実まだまだ日本ではユーザーも少ないですし、参加していたHR系の皆様も手探りなのかな?という感想でした。でも、概ね「利用する」「連携したい」という前向きな意見のようです。

たまたま勉強会のテーマがHRとLinkedinだったので、就職や転職、雇用の話が中心でしたが、本来はビジネスパーソンのための生産性向上ツールとしての見解が正しいようです。ビジネスに有効活用して結果を出している人には自然とお声がかかるよ…というのが本来の姿のようです。
けっきょくは「人」だということですね。

日経企業自体のエントリーはあまりないようですが、日本語化でどう変わるのか? は注目です。まさに開国要求を飲むのか?鎖国するのか?というところ。
※企業エントリーという概念自体があるのかよくわかってません。勉強不足ですね。とにかく、理解するためには使うことが一番。黒船っぽく見えてしまうのは、私の中の昭和的価値観かもしれませんね。
違うか、江戸的価値観か…?
そもそもソーシャルは鎖国なんて出来ないところにきてるんだし。個人的には、はっきりいって楽しみです。特に大学側の有効活用は大変意味があると思いました。むしろ、大学と学生が広めて欲しいなとも思います。
 

働く動機が大切なんでは?【HR/vol.15】


今の大学3年生の就職活動が(もう)始まっている。
始まっているというのは「リクナビ」に代表される学生就活サイトのOPENである。

経団連が精神的程度であるが倫理憲章を強いてはいるし、先の震災の影響もあって2013年卒業予定者の就職活動は遅れるんではないの?…との世論はぶっとばして、例年通りの就活スタートである。
※私は個人的に派遣など非正規を肯定している経団連の圧などは信用していない。

不正確だが、まだ2012年卒学生の30%近くが内定をもらえていない。内定を貰えない学生に向けて長期スパンで採用活動をしてくれる企業もあるし、第二新卒を受け入れてくれる企業もある。呼応して、世の中はいろいろな就活サービスが生まれているが(ソーシャルや紹介や紹介予定派遣など)、学生さんに気をつけてもらいたいなぁと思うのは、どれも「手段やツールである」こと。働く「動機」が一番だと思っています。

私の就職活動は序列型バブル期と就職氷河期の切り替え時だったので、希望の会社には入れなかったが内定はもらえたし、働いた。
※私の場合は上京してきてバイトをしていた2年生くらいまではバブルでがっぽり。就職すると実現すると思ってた安定的生活は大学4年生の時あたりから崩れだしたような世代。

でも続かなかった。私は現在就業する会社の前に2社経験していますが、最初の会社をやめたのは、会社を続けるための動機付けをしてこなかったから。あまりに面白くなかったのです。

次に選んだのが、完全なる動機があった業界でデザイン会社…。大学の時代から憧れた業界にたまたまご縁があり7年間。本当に面白かった。でもやめちゃうんですよね。子どもが二人できて、安定を求めてしまったのです。それは崩壊しているはずの年功序列のレールに乗ろうとする行為でした。

じゃあ、「動機」も関係ないじゃんか?と思われてしまうかもしれないですが、大切です。

今日は現役大学3年生の方2人とお話する機会がありました(各2分くらいですけど)。
少ない時間でもやはり出てきた言葉は「iPhone使ってますよ! みんなで機種変更したんです! 説明会とかパソコン限定でiPhone無いと予約できないから便利ですよ!」
実に屈託ない笑顔。次は「やっぱりみんなセミナーとか凄いいくんですよね。私も行かなきゃと思って…」。これまたすばらしい笑顔。うんうん、確かにiPhoneは便利で高機能で楽しくて最高のツールです。私も使ってます。勢いのある人についてくこと。これまた良い方法です。

でもね。そもそも何であなた働くの?とも思うんです。

これは大学生に問うのは酷ですし、普通の大学3年生が答えだしたって無理があるに決まってるんです。
※中には明確に答えられる物凄い学生さんもいるんですが。

じゃあ動機付けってどうするかといったら、数多く社会を見てなるべく沢山の働いている人達と会うべきなんじゃないかなと思うんです。

ちなみに私は今の会社は楽しいです(今のところ)。人が就業し、企業が発展するには人材採用が必要です。
それをお手伝いできる今の仕事は私にとって非常に意味があるし、働く動機になってます。でもこの段階に行き着くのに 私の場合15年かかりました。

動機=志望動機です。15年かかってできるようなものを就職活動で求めるのは無理ですが、採用側が期待しているのは社会人としてやれるだけの素養をつけているか?自分の会社で働いていることを面接時イメージできるか?だと思います。すぐには無理ですが、大学1年からインターンができたりする会社も増えています。

今の学生の皆さんもなるべく大人社会の過ごし方をバイトやインターンで経験してほしいと思います。
それから志望動機を見つめなおせばいい就職ができると信じています。後は何を手段として就職活動するだけなんじゃぁ無いかなと思っています。

歪みの人達【HR/vol.13】


私の所属している会社は業種というくくりでいえば、「情報サービス業」に該当するかと思います。
HRの情報配信会社といっていいでしょう。
そんな私もお仕事の幅を少々広げていただき、最近お仕事をお探しの方と直接お話ししてアドバイスをさせていただくようなこともしています。僭越ながら業界でいうところの「キャリア・コンサルタント」に該当するお仕事をやらせてもらっているのです。ビジネスモデルとして頭の中で理解してはいたものの、実際やってみるとこんな難しいとは思いませんでした。

まずは私どものサービスにお申し込みいただいた求職者の皆様のご都合をお聞きし、その方が「今まで何を仕事としてやってきたのか?」「何ができるのか?もしくは何ができそうか?」「そもそもどうして仕事を探しているのか?」ということを概ね聞いていくのですが、必ずといっていいほど人生相談のような形になってしまいます。
私はこの業務に関しては、まだまだ経験が浅いですし(元々は広告の営業マンですので)、やり方がいけないのかもしれませんが、なるべくその方一人ひとりの話したいことを傾聴するようにしています。というかそれしかできないので。
FacebookTwitterなどで時たま書いていましたが、私の「どういう仕事がしたいのですか?」という問いに対する回答で一番多いのが「正社員になりたい」…その理由は「安定したいんです」…その理由は「子どもが生まれたんで」とか「離婚してしっかりしなくてはならないんです」とか…。
それって、対求人企業に対しては志望理由にならないんですよね。でも間違ってるとも言いづらいんです。また、その方達がものすごくスペックが低くてどうしようもないのか?っていうとそうでもないんです。相談のってる私なんかより数倍格上だなって方もいるんです。
例えばバイリンガルで英語できて、ITリテラシも全然高い方が就職できてなかったりします。セルフブランディングが上手くないのかもしれません。

その状況って誰が作り出したんでしょうか?
私はマスメディアだと思っています。世間一般の方よりマスメディアに近い位置で働いている(と思う)ので、自虐ネタになってしまうのですが、昨今、「就職永久氷河期」だったり、「正規雇用・非正規雇用」って言葉を(この言葉を作ったのはマスじゃないかもしれないが)世の中に垂れ流して焦燥感を煽っているのは間違いなくマスメディアだと思います。

話は少し変わりますが、広告の営業マンをしていた最近まで感じていたことは、会社というものを存続させるための大切な雇用・採用というものをお客様は広告という不確実性が高いものにお金をかけなくなっているということ。採用手法は私が関わりだした成果にのみ支払いが生じる人材紹介などを通り越して、急激にユーザーを増やしているFacebookやLinkedinに代表されるソーシャルにシフトされていっているのだと思います。
今年現れたそれらの新しい採用手法はまだ完全ではないですし、採用手法のパラダイムシフトは思っているより緩やかな歩幅で進むような気がしています。

でも、それらがスタンダードになったときに取り残される「歪みの人達」は必ず存在すると思っています。
古き良き社縁が守っていた「安定感」や「サラリーマン=中流」思考は就職活動中の学生さんなんかにも根強く残っているみたいです。マスが埋め込んだ親世代の思考はその子ども達へ受け継がれていきます。その根拠の無い思考はちょっとした歪みでマスの言う「非正規」みたいな蟻地獄に人を引きこんでいくのだと思います。

Linkedinなどの新しい潮流は物事を正しい方向に進めていくかもしれません。でも私はLinkedinなんて知らないで過ごしている「歪みの人達」もどうにかしたいなと思っています。なぜなら私も「歪みの人達」の一部だから。

※誤解があるかもしれない表現を使っています。気を悪くされた方がいましたらお詫び申し上げます。

ダイバーシティ【HR/vol.14】

直訳すると多様性。
最近だと生物多様性なんて言葉が良くみかけられますが、これは働き方の多様性のお話。

日本ではいまだ女性や派遣社員契約社員やパートタイマーを軽視したりする傾向は強いように感じています。【vol.13】でも書きましたが、歪みの中にいる働きたい人の要望を少しだけ認めるだけでとんでもなく良い人材を採用できる可能性は絶対にあると思います。

しかし、現在日本にある企業は「今いる社員」を守るし、特に「今いる社員」の中でも従順でまぁまぁ仕事をこなし、会社を気持ちよくしてくれる人間を残そうとします。企業寿命30年と言われますし、別に会社自体を村化して気持ちよい温度の沼地を作るのは個人的にはいっこうに構わないのですが、仮にその企業寿命が自分の所属している期間内に尽きてしまったらどうしますか?

だったら、「今からやってもいいんじゃないかな?国全体で」って思います。ダイバーシティ化するんです。こう書いているとなんだかダイバーシティって響きがかっこいい気がしてきます。
雇用形態や性別、その方が最大限に能力を発揮できるための働き方のバックアップ。いろんな働き方を許容する世界。最近流行りの言葉の「ノマドワーク」を許すのもダイバーシティー化の第一歩。

先の東日本大震災では、様々な企業が自宅待機を社員に命じたりしました。本当に強烈な天災の影響を受けて会社を諦めなくてはならない経営者もいました。でも、一方で大手や上場など社会的な認知を受けている企業などは自宅待機を社員に命じたくらいではビクともしませんでした。
不謹慎ながら私はこう思ってしまいました「なんだ、会社って本当に行かなくてもいいんじゃん…」

自宅でもできることって沢山あると思います。場所を問わず、最大限の成果を会社に還元してくれる前向きな社員と会社の決めた雇用慣習に従うだけの後ろ向きな社員…
別に社内にいることが罪ではないですが、ダイバーシティを積極的に導入している企業は衰退しないと思います。

私のまわりにも例えば派遣という形式で働いている人がいます。よくよく冷静に見てみると、会社から直接雇用している自分より全然能力が高い人もいます。気づいたら有期間で働く彼・彼女達が社会のA面で、「正規」なんて胡坐かいてた自分達が社会のB面になってたらどうしますか?

※3連休に浮かれて通り過ごしそうになりましたが、東日本大震災からもう4ヶ月経過。震災の犠牲になった皆様に謹んで敬弔の意を表します。

How to start agriculture(農業の始め方)【HR/vol.12】

農業って食べ物を生み出す生活と労働の原型です。
でも農業を取り巻く歴史ってネガティブなものが多い。例えば大昔であれば「百姓とゴマ油は絞れば絞るほど出る」って言葉があって、お代官様に搾取されるイメージ。
国の対策としても二次・三次産業が伸びてきちゃったもんだから、農家を安心させようとして長らく続けてきた「コメは政府が買い取るよ」という食糧管理制度も1960年代あたりにはコメ余り状況になって、政府の累積赤字を増大させる結果に。今度は減反政策で生産量を調整されて・・・1994年の食糧管理法自主流通米が認められるまでがひとまずの区切り。震災でやや先延ばしになっているものの今はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の参加も検討されており、関税撤廃による食糧の貿易が自由化→国外の食糧がガスガス入ってくる→日本の農家が危ないという理屈でまたまた農家は危機にさらされています。※このあたりあまり知識が明るくないので認識が間違っていたらごめんなさい。

では皆さんに「日本に食べ物と海外の食べ物どっちがいい?」という質問を投げかけると51.5%の方が「外国産より高くても食料は生産コストを引き下げながらできるかぎり国内で作るほうが良い」って答えているんです。※2008年「食料・農業・農村の役割に関する世論調査」より

じゃあ、「made in japan」の農業を支えている方々の就業データはどうかというと2009年で191万人。そのうち65歳以上が6割。新規で始める方が10年で6〜8万人(うち40歳未満は1万5千人くらい)。しかも全体の53.4%が女性で占められているそうです。
急速な農業従事者の高齢化と関税撤廃。この二つのキーワードだけで「日本の農家終わったな」と思ってしまいますが、農林水産省を中心に新しい働き手の確保にも国は動き出しています。
例えば、「農の雇用事業」
農業生産法人への就職という手。農業生産法人が新しく農業を始める方を雇い入れた場合、国が資金援助をするようです。これで2009年は3600人が採択されたそうです。その他農協などで研修をうけて独立する方法や法人化しないまでも一般の大規模農家が同じように国から補助金を受け取り、研修生を受け入れたりもしているようです。残念ながら海外からの研修生のが多いようですが…。その他、個人農家が旅行会社と組んで農業インターンシップなんてのもあるみたいです。
でも、いろいろやっても農業就業者は増えてないみたいです。今後の農業・食料事業を考えると
日本は生産技術の開発や研究、その研修機関としての位置づけになるのが良いのでは?
と個人的には思います。
つらくてきつくては歴史の文脈的にも身体的にも体験してきたのだから、IT産業やバイオベンチャーなんかが組んで新しい農業のあり方なんかができればいいなぁと。そいうのなら乗りたい。

<参照サイト>
★「農の雇用事業」http://www.nca.or.jp/Be-farmer/nounokoyou/
★「農業生産法人とは?」http://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/soudan/s_houzin/01.html
★「農業法人名鑑」http://hojin.or.jp/standard/i_meikan.html
★「農業インターンシップhttp://www.nca.or.jp/Be-farmer/intern/whats/internship.php
★「ゲームと農業」http://joblabo.asahi.com/articles/-/946
★「クラウド農業」http://www.asahi.com/digital_sp/cloud/TKY201008200120.html

新傾聴ボランティアのすすめ【BOOK/vol.03】

新傾聴ボランティアのすすめ―聴くことでできる社会貢献

新傾聴ボランティアのすすめ―聴くことでできる社会貢献

今週はこんな本を読みました。

別にボランティアに目覚めたわけでなく、キャリアカウンセリングをする際に必要であろうと思っていた「傾聴」という言葉に引かれて図書館で見つけた本です。

今回の震災に際し「傾聴ボランティア」というキーワードはちらちらと見つけることができましたが、あのような状況下におかれた方は体の調子は戻ったとしても、心の調子は深く傷ついたままです。特にご高齢者。人間は年齢を重ねるほど経験や知識を高くしていきますが、同時にプライドも高くなります。だから辛くても自分のことを話したがらなくなる・装うようになる・でも本当は話したい。

この本はそんなご高齢者向けの「聴き手」としての心得や手法が書かれています。例えば、相手のペースで話す「ペーシング」や相手の話す内容をまとめて返してあげる「パラフレイズ」などなど。

ボランティア向けの本ですが、職業としての場でも使えそうな要素が多かったです。

ちなみに「聞く」は「hear」で聞こえてくるとか、とりあえず相手をするイメージ。
「聴く」は「listen」で耳と目と心を使って一生懸命受け入れる感じ。