会社員になる前に【HR/vol.06】

働くということの意味には、経済的収入を得る以外に、社会と通じて人のために…という部分は前回までに書きましたが、別に収入の有無を省いてしまえば、家事や親の介護も働くことには変わらないと思います。また、報酬無しでも社会に通じることは可能だと思います。例えば、環境保全活動を行なったり(町内会で行なうドブさらいなんかも)、ボランティアをやったりなんてのもそれに当たります。

どちらにしても、働くということに対して意味を見出していて、いつも気持ちや状態が良好な人ほど、周りを巻き込んで良い効果を生み出している気がします。
でも、お金を稼ぐためだけにいる、なんだか働かないと周りの視線が…とかいう方も多いと思います。果てには、自分らしく能力が発揮出来ない職場だから辞める。周りがやる気がないから辞めるとも言い出したりします。全否定はできないです。本当に働くことが好きで、いまの職場と100%マッチして大満足なんて人は殆どいない気がします。

就職難とはいえ、日本では学生時代を過ぎると多くの若者が職業を得ます。とはいえ、アンケートなどで良く答えるそれは大概が「会社員」という属性の職業

そもそも職業ってなんでしょうか?
職業って無償で行われてきた行為に対価を払う他人が出てくることで成り立つものだと思います。
今でこそ、私のような何処にでもいるような人間がブログなど書いて、ネットで情報を発信することできますが、インターネットをはじめて作った人は最初から報酬をもらっていたでしょうか?
多分、周りからは変人かオタク扱いされてたでしょうね。

でも、本人は好きで好きでたまらなかったんでしょう。その好きが価値を得て、その好きを提供することが職業になり、その職業が社会的価値があがり、その職業に従事する人が増えて、会社になり、産業になるのでしょう。つまり、ゼロからスタートした人しか、本当の意味でその職業で働くことにマッチングはできていないことになります。

じゃあ、起業でもしろっていうのか?といわれると、そうはいきません。私も考えたことがないわけではないですが、子どもも二人。生活の安定を選ぶのが家長としての最低限のラインと捉えているので、そうはいきません。しかも、起業で成功する人は殆どいないはずです。

なんだかお話にならない感じですが、それでも「会社員」で勤める我々にも、少しだけできることがあると思います。それは、その職業の歴史を知ること、会社創業者の思いを知ること。それに共感できたら、その職業の未来を想像すること。それが自分の気持ちとズレが大きければ考え直せばいいし、かなり合ってると思えば続ければいい。同僚にも言われましたが、物事には文脈(この字でいいのかな?)というものがあり、それを理解するのが全ての始まりだそうです。

これは、まだ就職活動してない学生さんでもできることなんではないかなと思います。
会社員という覚悟をする前に。