僕らはみんな雇われている【HR/vol.04】

○次産業とかいう言葉があります。
簡単に整理すると・・・
一次産業→農林漁業
二次産業→製造業など
三次産業→サービス・医療ほかもろもろ。という感じです。

私が従事している仕事も三次産業に該当していると思います。というより、現在の日本で働く方のほとんどが三次産業に該当する仕事をしているのではないでしょうか?ちなみに、前回のvol.03では労働人口を6617万人としていましたが、それぞれの産業の従事者の割合を計算すると・・
一次産業→約5%
二次産業→約27%
三次産業→約68%
小学校の社会科の授業のようになってしまいますが、統計的にも日本は「自給自足率が低くて、食べ物も自分達で調達できないわりになんだか幸せな国」ということになります。同時に三次産業従事者のうちの9割が誰かに雇用されて働いています。
自営業者がかなり減少しているということです。

この原因は昔からある「日本的経営」の名残がまだまだ根強く日本に残っているためだと考えられます。
戦後の日本は、敗戦の悔しさをバネに自給自足の途上国から製造業を中心に生産技術などを世界トップクラスまで上げてきました。当然、人手が足りない時代でしたので農村などから人員を呼び集め、それまで家族や地域レベルで成り立っていた
「地(血)縁」を会社と労働者との「縁」つまり「社縁」に国主導で変えていきました。
年功序列という規律を守れば、確実に給料が上がり定年までの雇用を会社が保証してくれる、会社にとっては新人が入社すれば、先輩や上司など同じ系列の仕事をしてきた仲間が常にフォローできるので技術が廃れることはなく発展していける。
画期的です。私も未だにこんな風景に憧れてしまいます。

でも、昇り竜であり続けることが難しいことはバブル崩壊以降の様々な金融・経済の危機に晒される中ではっきりと分かってしまいました。
痛手をこうむるのはいつでも若い人達。企業が危機に陥った時に、まず守ろうとするのは「今いる従業員」の中でも基幹業務についている人材。それ以外は期限付き雇用である派遣やアルバイト、パートで賄えるという考えに行き着きます。
社員として働ける若者の入り口はどんどん狭くなっていき、不安定な働き方で将来も見えないのに親年代のギリギリセーフ的なリタイヤを見せ付けられ続けるわけです。こういうことは、もうしばらく続くでしょう。
でも、社会は上手く循環していくべきだと思います。
未来は若い人達の手の中にあると信じるなら、今後どのようにしていけばいいのでしょうか?

私は若者と高齢者の中間にいて、世間的には「働き盛り」に該当する37歳です。
どっちとも言えないポジションですが、間違いなく今のままでは社会が駄目になるような予感がしています。